FRP複合板構造の使用温度と熱の伝わり方

FRP複合板構造を使用した場合の上限温度や熱の伝わり方について紹介いたします。

複合板構造のコア材の使用上限温度

FRP複合板構造のコア材として、硬質ウレタンフォームを使用しております。

硬質ウレタンフォームは80℃以上の高温になると、炭化する場合があり、硬質ウレタンフォームに期待する機能が失われる場合があります。(さまざま分野でよく使用されるポリスチレンフォームは、FRPの硬化時に発生するスチレンとの相性が悪く、非常に難しい点があります。)

以上のことから、複合板構造としての使用上限温度を80℃までとしております。

FRP複合板構造の熱の伝わり方について

熱の性質は、温度や圧力により物質によって大きく異なります。

温度は高温部から低温部に熱の流れが発生することになります。

熱伝導とは

固体内の伝熱(FRP層・硬質ウレタンフォーム層) 物質特性による値。数値が大きいほど熱は伝わりやすい。

断熱材の種類熱伝導率 (W/m・K)
FRP(ハンドレイアップ法)0.233
ポリスチレンフォーム(ビーズ法)0.041
硬質ウレタンフォーム0.024

熱伝達とは

流体内の伝熱(空気や水、内容液) 境界層における状況(流体の諸性質、流動の状態、伝熱面の形状)に依存される。

強制対流(W/m2・K)自然対流(W/m2・K)
1000~10000500~1000
空気10~1001~10
日本機械学会編 電熱工学資料改訂第5版(2009)より

熱貫流率とは

熱の伝えやすさを示す数値であり、住宅の屋根や壁、窓などの性能指標で使用される数値であります。
温度差1℃とした場合、伝熱面積1㎡に対して1時間でどれだけ熱を貫通するか(伝えやすさ)を表す。熱貫流率が小さいと熱移動を少なく抑えれれることになります。(断熱性能が高い)

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