FRPに関わる用語をまとめております。ご参考ください。

FRP Fiber Reinforced Plastics(繊維強化プラスチック) ガラス繊維やカーボン繊維などの繊維と樹脂を組み合わせた複合材料。軽くて強い材料で耐食性に優れる。
ガラス繊維 ガラスから作られる繊維。ロービングクロスやチョップドストランドマットやサーフェイスマットなどがよく使用させる。FRPの強化材料とされ、引張強度や曲げ強度、弾性率を上げる。ガラス構成の設計も必要。からだに触れるとチクチクとする。
樹脂 FRPに使用する樹脂は熱硬化性樹脂が多く、耐候性、耐食性や耐熱性、電気的特性などを付与する。不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂の特性により使い分ける。また熱硬化性樹脂は空気硬化しないので硬化剤、促進剤を使用して硬化させる。
硬化剤 不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂に硬化剤を混ぜることで架橋反応し硬化させる。使用の際は樹脂と混ぜ合わせる際よく攪拌させて均一に反応させる。使用量により硬化速度に影響する。劇薬のため使用注意が必要。
促進剤 ナフテン酸コバルトやアニリン。常温硬化は硬化剤と促進剤の併用することが多い。樹脂によってはあらかじめ促進剤が混入している樹脂もある。硬化剤と直接接触すると非常に危険。必ず促進剤→硬化剤の順で混合すること。
離型剤 型表面に被膜を作り、脱型しやすくするワックス。
含侵(がんしん) ガラスマットなどの繊維に樹脂を浸透させること。
ゲルコートとトップコート FRP層の劣化を防ぎ、防水するための保護層。通常、ゲルコートはノンパラ、トップコートはインパラ。
ノンパラ、インパラ 不飽和ポリエルテル樹脂やビニルエステル樹脂へのパラフィン入りタイプをインパラ。パラフィン無しタイプをノンパラという。
クラック 亀裂のこと。髪の毛ほどの亀裂をヘアークラックという。
ピンホール 積層板の微細なくぼみで針で刺したほどの小さい穴のこと。積層における脱泡不良で起きる。
剥離 積層の層間剥離。FRP板内部が剥がれる。
白化 積層内部の強化材とマトリックスとの間に空隙を生じ、白く見えてくること。
ハンドレイアップ成形 マット、クロスなどの強化繊維に樹脂を含侵させながら成形型の上に手積みしていく成形法。ローラーを使用して樹脂含侵や脱泡作業を行う。多種少量生産、大型品向き。人手作業のため、高い成形技能が必要
圧縮成形法 FRPの成形法でもっとも利用させる方法の一つで、全生産量の40%ほどがこの方法で成形させている。ホットプレス法とコールドプレス法が中心である。
SMC成形法 ホットプレス法の中で最も一般的な成形法。予め樹脂、ガラス、硬化剤、充填剤、離型剤をシート状にしたものを型に配置し、加圧、加熱する。
引抜成形法 ガラスロービングを樹脂に含侵させ、型の中を通過、硬化させる。その型から引き出す際に引取機を使い、連続して成形が可能。パイプやチャンネルなどの棒状製品となる。
オーバーレイ ガラスマット(繊維)と樹脂を積層すること。
氷蓄熱槽 熱源機と空調機の間に氷蓄熱槽を設けて熱(氷や冷水)を蓄えることにより、熱の生産と消費を時間的にずらすことが可能なシステム。
たとえば、夜間に熱源機を運転して空調に必要な氷を作って氷蓄熱槽にためておき、昼間にその熱(冷気)を取り出して空調に使うことが可能にする。
許容応力 材料特性値から様々な安全率を考慮して算出したもの。構造設計時に作用応力以下になるように設計する。(許容応力≧作用応力)FRP材料を使用する際は弾性域での検討となる。
安全率 設計条件や材料特性値の信頼度、用途、バラツキなど影響要因を考慮して決定する。
弾性係数 応力とひずみの比例定数。フックの法則が成立する弾性域での応力とひずみの比(=応力/ひずみ)は常に一定になる。
座屈 荷重が増加すると、ある荷重で急に変形の模様が変化して、大きなたわみが生じる。特に柱などの圧縮荷重に働くことが多い。
ラーメン構造 垂直な『柱』と水平な『梁』を強く接合(剛接合)して屈強なフレームを作り、建物を支える構造。
剛性 部材の変形しにくさ。剛性が高い→変位量が小さい。 サンドイッチ構造ではFRP層に挟まれた心材の厚みと物性値が大きく影響する。